カルシウムの食事摂取基準
性別 | 男性 | 女性 |
年齢(歳) | 推奨量(mg/日) | 推奨量(mg/日) |
1~2 | 400 | 400 |
3~5 | 600 | 550 |
6 ~7 | 600 | 550 |
8~9 | 650 | 750 |
10~11 | 700 | 700 |
12~14 | 1000 | 800 |
15~17 | 800 | 650 |
18~29 | 800 | 650 |
30~49 | 650 | 650 |
50~69 | 700 | 650 |
70以上 | 700 | 600 |
目的別・奨励されている使用量(1日)
- 妊産婦・・・ 900mg
- 大腸がん予防・・・800~1200mg
- 骨粗鬆症予防・・・1000~1500mg
- 妊娠性高血圧・・・800~1000mg
カルシウムの吸収率を促進するために
カルシウムは、クエン酸と一緒にとると吸収が良くなるので、柑橘類やレモンジュースと一緒にとるなどの工夫をしましょう。また、カルシウムは、マグネシウムとのバランスが非常に大切で、カルシウムだけとると、血管が固くなったりと逆に体に悪影響を起こすこともよくあるので、必ずマグネシウムを一緒にとりましょう。
カルシウム吸収に 不可欠な因子 |
活性型ビタミンD3、マグネシウム、胃酸 |
カルシウム吸収を 促進する因子 |
CPP(カゼインホスホペプタイド)、乳糖 |
カルシウムを吸収するとき、小腸下部にリン酸があるとこの2つがくっついてしまい、カルシウムが吸収されにくくなるのですが、CPPはこのリン酸とカルシウムがくっつく邪魔をし、カルシウムの吸収率を上げてくれます。CPPは牛乳のたんぱく質を消化する過程で生成されます。
カルシウムと一緒に摂りたい成分・食品
- マグネシウムは、カルシウムを効率よく吸収するのに必要で「カルシウム:マグネシウム=2:1」とする文献が多いですが、その比は1:1がいいのではないか、という意見もあります。マグネシウム量が割合より多くなると、カルシウムの吸収率は低下しますが、普通の食生活からでは、摂りすぎるということはありません。マグネシウムは、ナッツ類(アーモンド・ピーナッツなど)・ゴマ・玄米・大豆製品(納豆・豆腐)に豊富です。
- ビタミンDを摂るか、1日に最低15分は日光浴をして、カルシウムの吸収を促しましょう。ただし、ビタミンDを多く摂りすぎると、骨からのカルシウムの摂り出しが多くなりすぎ、その結果、骨以外の組織にカルシウムが沈着する石灰化現象が発生します。体で生成するビタミンDは過剰になることはないのですが、サプリメントで取る場合には注意しましょう。
- ビタミンC や クエン酸 (酢、レモン水、オレンジ、りんごなど)は、カルシウムの吸収を促進します。例えば、サラダに酢やレモンの入ったドレッシングをかけると、野菜に含まれるカルシウムを効率よく摂取したり、酢のものにわかめや小魚を入れるなど。
- 良質なタンパク質、リジン(アミノ酸)は、カルシウムの吸収をよくしてくれます。リジンは、鶏のささみ、卵、魚、大豆、牛乳などに含まれています。しかし、タンパク質の摂りすぎはかえってカルシウムを排出させてしまうので気をつけましょう。
- 良質な炭水化物(ご飯や麺類など) と合わせて摂ることで、カルシウムの吸収率があがるとされています。
カルシウムの吸収を考え、1度に大量のカルシウムを摂取するのではなく、朝昼夕食2時間後の摂取がベストです。
乳製品には、リジン・アルギニンなどのアミノ酸、牛乳が消化される過程で生成されるCPP(カゼインホスホペプチド)、乳糖が含まれているため、カルシウムの吸収を助けます。
チーズやヨーグルトなど、乳糖が少ないので、乳糖不耐の方は多少吸収効率は落ちますが、食べるといいですね。
<カルシウムを多く含む食品>
- 乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルト)
- 小魚(いわし・煮干し・しらすなど)
- 海藻類(ワカメ・ヒジキ)
- 緑黄色野菜(小松菜・ほうれん草)
- 木綿豆腐
- ココア
例えば、
食品 | 冷やっこ | 無糖ヨーグルト | 鮭水煮缶 |
1食当たり 使用量 |
100g (木綿) |
100g | 1/2缶 |
含有量 | 120mg | 120mg | 171mg |
カルシウムは一度に吸収できる量が限られているため、毎日の食事で補給することが大事です。牛乳入りのココアはカルシウム・マグネシウム・カリウムなどがバランスよく摂れるのでおすすめです。
骨は7割がヒドロキシアパタイトと言うリン酸カルシウムでできています。ですので、骨を作るためにはリンもカルシウムと同じだけ必要になります。しかし、現在社会では、食品添加物によく使われるリン酸塩のせいで、やや過剰摂取気味なので、リンの摂取には気を配る必要がありません。返って、リンはカルシウムと結びつきやすいため、リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を抑制してしまうことにもつながりかねません。加工食品に使われているリン酸塩については、カルシウムの吸収阻害と言う面で注意が必要です。
エレメントのカルシウム量が多い順番は、
- 炭酸カルシウム、
- リン酸カルシウム、
- クエン酸カルシウム、
- 乳酸カルシウム、
- グルコン酸カルシウム
の順になります。しかしながら、カルシウムは酸(クエン酸)とキレートして小腸から吸収されまるので、カルシウムの吸収を促進させるためには炭酸カルシウムよりもクエン酸カルシウムのほうが吸収率は高くなります。特に胃酸の分泌が低下する高齢者にはクエン酸カルシウムのほうが吸収しやすいです。
炭酸カルシウムは、カルシウムサプリに割合よく使われています。炭酸カルシウムは水に溶けないので吸収率が悪いのですが胃液の塩酸と反応すると、水に溶ける塩化カルシウムになります。
一方、有機酸と反応したクエン酸カルシウムは、水にはあまり溶けにくいものの比較的吸収が良いので、サプリに用いられることがあります。
さらに、乳酸カルシウムも吸収率の良い物質です。これも医薬品や食品添加物としてよく使われています
カルシウムの吸収を妨げるものは
カルシウムの吸収を妨げる要因に、
- シュウ酸は、「最も強力なカルシウム吸収阻害物質として知られる」ようです。ほうれん草のアク、タケノコ、チョコレートに多く、カルシウムだけでなく、骨をつくる材料になるマグネシウムの吸収をも妨げます。シュウ酸と結合したシュウ酸カルシウムは結石を形成します。例えば、1日あたり2000mg以上のカルシウムとシュウ酸が含まれた食材(ほうれん草など)を多く摂取した場合、腎臓結石の形成が通常よりも3倍高くなるというデータがあります。いくつかの研究によると、サプリメントからカルシウムを大量に摂取すると、特に高齢者では腎臓結石のリスクが高まることが示されています。しかし、食品からカルシウムを摂取する分には腎臓結石が発現することはないようです。
- フィチン酸は、穀類、豆類に多く含まれ、強い排出作用があり、カルシウムや他のミネラル(マグネシウム、鉄、リン、亜鉛など)と結合し、小腸からの吸収を阻害します。また、過剰摂取によってアレルギーや重度のミネラル不足、腸の痛みなどを起こす可能性もあります。
- リン酸(野菜、肉)
- 硫酸(野菜)
- 多量の食物繊維(穀物類や海藻類、野菜に含まれる)カルシウムを一緒に摂ることでカルシウムとこれらの物質が結合して、小腸から吸収されずに便から排泄される量が増えます。
- リン、亜鉛、マンガン、鉄、マグネシウム、銅、などのミネラル。小腸からの吸収のさいに、競合するため。
- リンは魚類、乳製品、大豆、肉類など一般的な食品に広く含まれている成分ですが、スナック菓子、冷凍食品、加工食品、清涼飲料水(炭酸飲料水)などに含まれる過剰なリン・リン酸の摂取は、体内に入ったカルシウムの尿中排泄を促してしまいます。
- 1日あたり30mg以上の亜鉛を摂取するとカルシウムの吸収が抑制されるので、亜鉛と一緒にはとらないようにしましょう。
- ナトリウム(梅干し、塩辛、カップラーメンなど、塩からいものに多く含まれる)の取りすぎはカルシウムの排泄を促すので注意。
- アルミニウム(アルミナ)が含まれた胃薬やアルミ製調理具で調理された食材とカルシウムを一緒に飲むと、カルシウムは吸収されずに尿中に排泄される量が増えます。
- 動物性たんぱく質(酸性食材)の食べすぎはカルシウムの尿中排泄を促すため、食べすぎには注意すしましょう。肉類が好きでカルシウムの積極的な摂取をこころがけている場合には、食事直後にカルシウムを飲むよりも、2-3時間後に飲みましょう。
- 精製された糖を摂りすぎると、食事で摂取したカルシウムの80%近くが尿から体外に排泄されてしまうことがあります。
- ビタミンA、脂肪のとりすぎ。
- アルコール飲酒後にカルシウムを飲んでも吸収量は期待できません。
- カルシウム自体はアルカリ性ミネラルですが、吸収には酸(胃酸)が必要なので、整酸剤(胃酸を中和する胃薬)を一緒に飲まないようにしましょう。また、食物の消化に必要な胃酸を中和してしまうため食事中や食後すぐには飲まないようにしましょう。カルシウムの吸収を考えた最適な服用タイミングは食後2時間後です。
- ステロイドホルモンの成分として使用されている糖質コルチコイド(グルココルチコイド)はステロイド性糖尿・高血圧・免疫不全などの副作用を示すだけでなく、カルシウムの吸収阻害による骨粗鬆症を誘発する可能性があります。
- 運動不足。
- ストレス過多。
があります。
おすすめのサプリメント
Country Life は、信頼できそうな会社です。
Country Life, Calcium-Magnesium with Vitamin D Complex, 240 Veggie Caps
このサプリは、以下のポイントを満たします。
- カルシウムが、吸収し易いフォームであること。
- カルシウムとマグネシウムの比率が、2:1であること。
- Vitamin Dが同時にとれること。
このカルシウムサプリ1カプセルをアップルソースに混ぜて、ビタミンCと一緒にとれば、吸収率も良く、Goodです。1カプセルを1日3~4回とると、1日1000mg 取れることになります。
購入は、iHerb でもできます。iHerb は、定期的にセールをしたり、ポイント還元もあるのでお勧めです。また、日本人による日本語でのコメント・レビューも見ることができるので、参考になります。
- iHerb: $16.46 (2017年1月15日価格)
カルシウムを食事からとる
小魚をカリカリに炒めておいて、それらでカルシウムを摂るのもおすすめです。その際には、以下のものも一緒に摂ると吸収率が上がります。
- ビタミンCか、酢、みかん(サプリも一緒に)
- ビタミンD3 (サプリで多すぎないように適量)
- マグネシウム入りの水素水
小魚に塩分が多いときは、バナナを食べてカリウムを補強。