食肉の食品汚染問題について

食肉の食品汚染問題について

多くの家畜の体内には劣悪な飼育環境により、大きなストレスや不衛生で病気になるような餌などにより奇形変化や腫瘍ができ、膿が溜まっているもは多く存在します。
こういった食肉は、表面をきれいに化学薬品で洗浄した後に販売されています。
普段食べている肉も、このような化膿した腫瘍がある肉が普通に流通しています。
腫瘍の部分を除去し、きれいに膿を洗浄して、漂白剤で消毒してから消費者に販売されています。ハンバーガーやソーセージに使用される肉は腫瘍や膿が残ったまま使われている可能性もあります。

豚のおよそ68%、牛の80%に何らかの病変や炎症があるそうです。

安部 司氏は食品添加物の神様とすらいわれたのに、なぜ、キッパリ足を洗ってしまったか?
実は、その大きなきっかけは、彼が添加物で開発したゼッタイの自信作ともいえる「ミートボール」にあります。

そのミートボールは、あるメーカーが安く大量に仕入れた「端肉」(牛の骨から削り取る、肉とはいえない部分。元の状態では、形はドロドロで、水っぽいし、味もなく、ミンチにもならないもので、現在は、ペットフードに利用されているもの)を使って、何か作れないか?と言う依頼により安部氏が開発したものです。

彼は、このどうしようもないシロモノに、卵を産まなくなったくたびれた鶏のミンチ肉を加え増量し、さらに「組織状大豆たんぱく」を加え、味付けは、「ビーフエキス」と「化学調味料」を大量に使用。さらに「ラード」「加工でんぷん」「結着剤」「乳化剤」「着色料」「保存料」「ph調整剤」「酸化防止剤」をうまく加えて、ミートボールを作ってしまいます。

コストを抑えるために、市販のソースやケチャップは使わず、「氷酢酸」を薄めて「カラメル」で黒く色をつけたものに「化学調味料」を加えてソースもどき」を作り、ケチャップも「着色料」「酸味料」「増粘多糖類」をうまく調合して、「ケチャップもどき」も作ります。

本来なら、産業廃棄物となるべきクズ肉を、彼が「魔法の粉」である添加物を大量に投入して、舌においしい「食品」に仕立て上げたわけです。

このミートボールは、スーパーでも売値が1パック100円弱。
笑いが止まらないほどの大ヒット商品となり、そのメーカーは、この商品だけでビルが建ったと言われるほどだったそうです。
要するに、およそ30種類もの添加物を加えて作った「添加物のかたまり」の儲けでビルが建つほどだったわけです。

生産者の視点にたった、苦心の末での工夫の結果とも言えるこの「ミートボール」は、開発者の彼にとって誇りだったそうです。

ところがある日、猛烈サラリーマンであった安部氏は、せめての家族へのサービスとして3歳になる娘さんの誕生日には早々に帰宅して、めずらしく家族みんなで食卓を囲み、お祝いすることにしました。
食卓にはご馳走が並び、その中には、ミートボールの皿もあったようです。何気なく、それをひとつつまんで口に放り込んだとたん、彼の心は凍りつき、血の気が引いてしまいます。
なんと、そのミートボールは、彼が添加物を大量に使って開発した自信作のミートボールそのものだったのです。

安部氏は添加物のプロなので、食品にまじっている100種類ほどの添加物を、瞬時に舌で識別できます。

安部氏の奥さんによれば、有名な大手メーカーのものだから安全だと思って安心して買っており、ふだんから子どもたちが好きで取り合いになるくらいとのこと。
安部氏は、真っ青になって、あわてて、「これは食べちゃいかん!とミートボールの皿を両手で覆ってしまい、胸がつぶれるような思いをした」と言います。

廃棄物同然のクズ肉に大量の添加物を投入して作ったミートボールを、わが子が大よろこびで食べていたという現実。

「ポリリン酸ナトリウム」「グリセリン脂肪酸エステル」「リン酸カルシウム」「赤色2号」「赤色3号」「赤色102号」「ソルビン酸」「カラメル色素」などのあふれるような添加物を、自分の愛する子どもたちが平気で摂取していたという事実。
そのとき、安部氏は、いままで「生産者」と「販売者」の立場でしかものを見ていなかった自分のあさはかさを知り、自分の家族も、また「消費者」であった現実を思い知らされます。
とにかく、親として、自分が開発したこのミートボールは、自分の子どもたちにはゼッタイに食べてほしくないものであることを思い知った安部氏は、夜も眠れぬほど、悩み苦しみ自問自答したあげく、きっぱりと、添加物の会社をやめる決心をしたといいます。

へたをすると人を殺傷する軍事産業と同じで、人を殺傷して、懐を肥やす死の商人と同じように思えてきて、このままでは畳で死ねないと思いつめたそうです。

牛肉のラベル

牛肉に関しては、牛トレーサビリティー法により個体識別番号が表示されています。
「容器」「包装」「店舗の見やすい場所」に記載されている10ケタの番号がそれにあたります。(通常は食品表示ラベルに記載)

(独)家畜改良センターのウェブサイトの 牛の個体識別情報検索サービス で個体識別番号を入力することで、「その牛がいつからいつまでどこで育ったか」を知ることができます。

ただし、例外として牛タン、ひき肉、くず肉などは個体識別番号の表示義務はありません。

参考記事: 幸食研究所