嘘で塗り固められたサプリメントの内容表示
表示の嘘
サプリメントには、虚偽の表示が多いことをご存知ですか?
サプリメントには、添加物、粗悪な原料が一般的に使われていて、嘘が蔓延しています。
消費者が、ラベルからは気づけない製造過程上の問題もあります。
また、天然だから良いというわけでもありません。磁石にくっつくおそらく鉄粉入りの天然成分が使用されていたサプリもあります。小さな粒のサプリで、「天然成分で高性能」と歌っているようなものは、疑ってみる方がいいでしょう。
東京都が、毎年、試し買いで表示問題チェック(3月公表)をしていますが、2014年健康食品試買調査では、サプリメント125品目中、なんと表示が正しかったのは20商品のみで、105品目に不当表示などの法令違反がありました。特に、インターネットで購入した80品目中、表示が正しかったのは1品目だけで、79品目に問題がありました。
サプリメント市場がこのような粗雑な状態でも、チェックするシステムはなく、実際、誰かが気が付いてクレームを入れないと、動き始めないというのが現状です。また、表示や品質に問題が発覚しても、悪質で体に危険物質(毒素など)でない限り、取り締まりが入らないため、粗雑な現状が放置されています。
表示問題には、色々ありますが、良くみられるのは、
- 記載されているだけの量が入っていない。
- 記載されている栄養素が実際には入っていない。
- 含まれている添加物などのすべてが記載されていない。
実際、工場で、含有量・成分量のチェックをしていない、つまり、通常の品質管理がきちんとなされていない場合が多いようです。
記載されている栄養素のリストを加算していくと、物理的に、明らかに、実現不可能なものまで販売されている実態がみえてきます。
次のような事実を見抜くことはできるでしょうか・・・?
(1)田村 忠司(たむら ただし)氏が教えてくれた「原料」のはなし
サプリメントの中には、一般の方の視点からするとビックリするような原料が使われていることがあります。
例えば、「アミノ酸」の原料として、人毛が使われているサプリメントもあるのです。
製造前の規格書を見る機会がある田村氏によれば、アミノ酸のサプリメント原料の規格書には、「原産国 中国」「原料起源 人毛」などと記載されていることがあるそうです。
「毛髪」が、アミノ酸生成のための安定的なタンパク源であることは事実で、日本でも戦時中などに毛髪を原料に醤油を作られたとも言われるので、感覚的な問題に過ぎないとも思えますが、本当の問題はそこではありません。
毛髪は、体にとって重要な「デトックス」としての役目を担っていて、魚などの食品に含まれる微量の水銀やヒ素などの有害重金属を、便や尿のほかに毛髪からも排出しています。
一番の問題とは、どの国のどんな環境の人々の毛髪かわからないという安全面の懸念なのです。
(2)田村 忠司(たむら ただし)氏が教えてくれた「原価」のはなし
例えば、テレビ通販で、10,000円のサプリがで売られている場合、ざっくりと6000円がテレビ局、2000円が企画会社の取り分、その残りの2000円がメーカーの取り分となっています。
品切れ絶対NGのため、大きいロット数で製造し、売れ残りはメーカー持ちです。そうなると、たとえ売れ残っても赤字にならない原価設定をしなければなりません。
つまり、原価は数百円しかかけられません。
その結果、消費者は原価の10倍以上の価格で、大して良くないサプリを購入させられるのです。
効用の嘘
サプリメントのパッケージに書いてある、効用を歌うキャッチフレーズは、売り手側の広告目的。実際の効能や品質とは無関係と理解してください。これらのキャッチフレーズは、無視したうえで、確かな知識と、実際の商品やメーカーのことをきちんと調べたうえで購入しましょう。
ドクター サプリの嘘
ドクターのサプリと書いてあるサプリメントにも、嘘が。
- 有名なドクターが広告塔になってるだけで、開発や監修には全くかかわってない。
- 実際にドクターが関わっていたとしても、ドクターの意思が反映されていない。
ドクターは、忙しかったり、工業用知識の不足などで、工場選びや材料選びなど細部にかかわっていないことがほとんどで、生産過程のあらゆる場面で手抜きが行われます。これは、ビジネスの生産現場は、売上利益にフォーカスがあるためで、チェック体制もあいまいな現状です。
場合によっては、工場側で発注の設計通りに作らず手抜きされたり、粗悪な材料、古い材料を使用するなど、原価を削られているケースもあります。医者は検証できない、またはしないことがほとんどのためです。
添加物・ニセ原料にお金を払ってる?
サプリメントの添加物
サプリメント製造工場の方々は、作業工程に添加物を入れたがります。
例えば、以下のようなサプリの表示で、すべての含有量単位をgramに変換して足していくと0.96g のうち、0.6g、つまり、全体の3分の2が添加物であることがわかりました。
この商品では、原材料の欄には以下の表示がされていました。
初めの3項目、乳糖・寒天・セルロースは、サプリを固める「つなぎ」で、これらが大部分を占めていることがわかります。
このうち、「乳糖」は、注意です。これは、日本人成人の8割が、この乳糖を消化できない体質、つまり「乳糖不耐症」といわれているためです。乳糖不耐症は、乳糖の分解酵素ラクターゼの先天的な欠如や、活性が低いために、乳糖が消化・吸収されず大腸に送り込まれるためにおこり、例えば、牛乳を飲むとげりするなどの症状があります。
粗悪な原料で安価に
実際にはほとんどサプリの中身を理解していないメーカーが多いと、田村 忠司氏は、いわれます。
原料に何を使い、どのぐらい配合し、どうやって作るのか。
こうしたいわゆるサプリの「設計」に疎く、ほとんど専門家がいないメーカーも少なくないといいます。
彼らはむしろ「企画会社」に近く、「売れそうな」商品を企画して販売します。
ですから、彼らは生産委託先である工場にほぼ「丸投げ」の発注をすることも多いといいます。
例えばこんな感じに。
「最近◯◯◯っていう成分が流行ってるのでそれを使って小売価格は3000円くらいで」
これではほとんど素人と変わりません。
工場は、専門家ではないですし、資本主義のビジネス原理にしたがって、売り上げ利益を重視の結果、
- 安い原料 (粗悪なもの・中国など安い国からのものなど)
- 古い原料 (倉庫に何年も置きっぱなしになっていたものなど)
- 材料の汚染状況や仕入れ先を無視(化学汚染、粗雑な原料など)
- 原料の管理で手抜き
- 安価な添加物を多量に入れる。
通常、まともな材料ではこの金額では作れるはずがない、安価なサプリが市場に出回っていることから、一目瞭然です。
ビタミンCを例にとると、
- ビタミンCは、95%が中国製。
- Kgあたり数百円で手にいるものから30万円するものまで。
- 安い健康食品には、安い粗悪なビタミンC、基準の低い原料メーカーのものを使用。
- 良い原料で純度が高い(不純物が少ない)、高価なビタミンCは、医薬品に。
アミノ酸を例にとると、アミノ酸の原料は、安定してアミノ酸が手に入る人毛(床屋で回収?)であることが多いのですが、髪の毛は、排せつ機関でもあるので、重金属を含む悪い成分も混入しています。そのため、どこの国の人の髪なのか、その国の大気汚染や食事、飲み物などの汚染状況なども重要項目なのですが、これらは無視されることになります。
田村氏は以前、ある生産工場で働いている方に、
「色んなサプリをタダで飲めていいですね」
と言ってみたそうです。
すると、こんな衝撃の返答が返ってきました。
「まさか・・・。何が入っているか知ってるのに、そんなものを飲むわけがないじゃないですか」
私たちは、工場の人が飲みたがらないサプリを飲んでしまっていないでしょうか?
粗悪なサプリメント、製造過程の問題
不純物・副産物の精製が不十分
本来自然界でできる(生き物が作る)のと違い、工場で作る(化学合成)の場合、その過程で余分な副産物や、非常に似通った分子構造の「偽成分」も同時に合成されてしまいます。これらの不純物、副産物などは、きれいに除去する必要があるのですが、よく似た物質をより分けるのは難しいため、この精製過程は、手間やコストがかかります。ここで、精製過程に手抜きがあると、結果として、これらの不純物が多く混入している粗悪なサプリが製品化されることになります。純度の低いサプリには、こういう不純物が多く含まれている可能性が高いのです。
例えば、ビタミンCの化学製造過程では、自然に存在するビタミンCとは、少しだけ違うが非常に似通った分子構造の「偽ビタミンC 」が合成されます。これらの「偽ビタミンC」を体に入れると、体内の酵素が、ビタミンCと勘違いして結びつき、うまく機能しない「不良酵素」が作られてしまい、体に悪影響を起こす可能性が高まります。
このため、最善なのは、天然原料を使用した、吸収率や体内での働きの面で合成品より優れているサプリメントなのですが、高価で、濃度も薄いというデメリットがあります。これは、材料費が高いのと、例えば、ビタミンCだけでできている植物など無いため、その成分だけを抽出するのに、コストがかかるためです。
つまり、安いサプリメントは、ほぼ 100% 化学合成品と思ってください。そして、合成品で安価なサプリは避けることをお勧めいたします。
その他の問題
テレビ通販のサプリは要注意です。
テレビ通販の収益配分は、およそ以下の通りです。
- 6割=テレビ局
- 2割: 番組の企画会社
- 2割:メーカー
例えば、テレビ通販でサプリが1万円で売られるとします。
その場合、ざっくり言うと、
- 6千円がテレビ局
- 2千円が企画会社
- 2千円がメーカー
といった取り分です。
品切れ回避のために多めに製造し、その売れ残りはメーカー持ちです。
たとえ売れ残っても赤字にならない原価設定にする必要があるので、原価は、たった数百円しかかけられないことになります。
そのため、1万円の原価がたった数百円ということが起こります。
私たちは、原価数百円のものに高いお金を払ってしまっていないでしょうか?
また、海外から輸入したサプリは、食生活の違いから日本人に向かない設計である可能性があるので要注意です。
例えば、ヨウ素や糖乳が多く含まれていて、甲状腺に負担がかかったりすることも。
サプリで、かえって健康を害する場合もあります。健康食品や、サプリにも、副作用があることは覚えておきましょう。
- サプリにアレルギーの原因になる材料がはいってる。
- 重ね飲みで、とりすぎて健康を害する。
- 期待の新素材、新しい機能性成分などは要注意。
- ハーブとか、エキスの組み合わせによって、副作用や害が出ることがある。
- 薬との相互作用で副作用が出ることがある。
有効なサプリの摂り方
ここまで、サプリメントの問題点を指摘してきましたが、とても有効なサプリのとり方もあります。
例えば、薬のために栄養素が不足するのを、サプリで補うなどの場合です。
コレステロールを下げる薬のスタチンは、コレステロールと似通ったコエンザイムQ10の生産も止めてしまうので、スタチンを飲んでいる人は、Coenzyme Q10のサプリを取ることをお勧めいたします。
ドライマウス (Dry Mouth) は、Coenzyme Q10で改善するという論文もあります。
病気になったときなど、ストレスがかかると、副腎がビタミンCを要求するので、ビタミンCのサプリメントを摂ることをおすすめします。ただ、1000mg以上を一度に摂取しても、それ以上は吸収しないので、2時間毎に1000mgずつ摂るなど、まめに摂取することをおすすめします。市販の純粋なアスコルビン酸粉末をとっても良いですが、ビタミンCそのものはまずいので覚悟を。
合成ビタミンCの原料は、デンプン(じゃがいも、とうもろこし、タピオカ)などが一般的です。
天然のビタミンCと 合成のL-アスコルビン酸は同一のものです。しかし、天然の場合は、ビタミンCの働きをサポートしてくれる色々なものが一緒に摂れるという面で優れているといえます。
サプリメント、その他の事実
サプリメントで、農薬・水銀・放射性物質の検査をしていると謳っている商品においても、第3検査機関の報告書を提示出来ない場合は、実際にどんな検査をしているのかも曖昧で、宣伝目的で、いくらでも上手に書くことができると理解しておきましょう。
検査技師のデータでは、サプリメントを飲んでいる人は、肝機能GOT、GPT、r-GTPが高い人が多いようですが、これは、現状がデータに反映されているといえます。
変な添加物や不純物が沢山入っていたり、原料の質が悪いサプリを摂ると、肝臓に負担をかけるためです。合成ビタミンの安価なものには、不純物が沢山はいっている可能性が高いので、気をつけましょう。
γ-GTPは、肝臓、腎臓、すい臓、ひ臓、小腸などに含まれている解毒作用に関係している酵素です。γ-GTPは肝臓や胆管の細胞が死んだときに血液中に流れ出すため、肝臓や胆管の細胞がどれくらい壊れたかを示す一つの指標になります。正常値は、
* 10~50(成人男性)
* 9~32(成人女性)
GOTとGTPは、どちらもタンパク質を分解してアミノ酸をつくる酵素です。
GPTのほとんどは肝臓に存在するのに対し、GOTは肝臓だけでなく、腎臓や赤血球、心臓や手足の筋肉などにも存在します。肝細胞が壊れたり、細胞膜の透過性が増すことで、血液中に酵素が流れ出すことで、数値が上がります。したがって、肝臓に異常があった場合は、ほとんどの場合両方の数値が上がります。正常値はGOTが8~40IU/L、GPTは5~45IU/Lです。
カルシウムのサプリメントですが、吸収率が悪いカルシウムの方多く使われていて、吸収率が良いカルシウムは少ないようです。カルシウムは、クエン酸と一緒にとると吸収が良くなるので、柑橘類やレモンジュースと一緒にとるなどの工夫をしましょう。また、カルシウムは、マグネシウムとのバランスが非常に大切で、カルシウムだけとると、血管が固くなったりと逆に体に悪影響を起こすこともよくあるので、必ずマグネシウムを一緒にとりましょう。
タンパク質は食べ物が原料ですが、アミノ酸は、よく人髪が原料として用いられています。ですが、人髪は排泄器官の一つですので、たとえば体内の重金属が人毛に含まれていることもあるため、メーカーがこれらにきちんと注意を払ってるのかが重要です。
コラーゲンですが、肉の1/3はコラーゲンですので、サプリを摂るよりも、肉を食べ他方がはるかに沢山コラーゲンがとれますので、肉を食べることをおすすめします。
DHA と EPAのサプリメントは、必要な人には有効です。原料が魚なので、水銀・重金属チェックをしているかを確認し、その検査証拠データの提出をお願いするのが良いでしょう。また、DHAとEPAは錆びやすいため、新鮮かどうかも需要です。DHA と EPAは、治療薬をしても使われています。例えば、高脂血症のために摂取するなどの場合は、医者に処方してもらって医薬品を購入することをおすすめします。EPAの治療薬医薬品には「エパデール」、DHA・EPA治療薬医薬品には「ロトリガ」などがあります。
鉄のサプリメントは、医薬品鉄剤があります。
日本では、処方で様々な良質な医薬品サプリメントが購入できます。
医薬品として売られているサプリメントは、基本的に良質で安心です。
田村先生が飲んでおられるのは、自社の以下のサプリメントだそうです。
- マルチビタミン(必須)、
- ビタミンC (マルチビタミンに含まれているものも入れると合計3g)
- レスベラトールの強化版プテロスチルベン(Methylated Resveratrol Pterostilbene) :(癌発生率を下げるとか、糖尿病を下げるなどの論文を読んでから)、
- 還元型CoenzymeQ10
近年では、加工食品を取る機会が多いですが、加工食品は添加物の問題のほかにも、栄養素の欠如という問題が潜んでいます。材料が粗悪なものであったり、新鮮度が欠如していたり、また、製造工程で栄養素が欠如してしまうためです。見かけをよく保つために、水をふんだんに使い、栄養素が全部でてしまった後の出し殻を使用して作られ、味は、化学調味料で整えられます。見かけの美しいもの、長持ちして、美味しく食べられるものを追及した結果、栄養が抜けてしまったという残念な結果ともいえます。
これらの加工食品のメーカーが、サプリメーカーだったりもするわけで、背筋が少しひんやりしますね。
参考サイト:
All About 健康
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参考: 田村忠司さんのお話
■株式会社ヘルシーパス(医療機関専門のサプリメントメーカー) 代表取締役社長
2006年 「医療従事者が自信を持って使えるサプリメントを提供して欲しい」との、医師、薬剤師からの要請に応えて医療機関専用サプリメントの専門メーカー「株式会社ヘルシーパス」を設立。
著書
- サプリメントの正体
- 「これ」を食べればサプリはいらない
元気の学校は、良いお話を毎月きくことができる健康クラブで、私は色々なことを学ばせていただきました。田村忠司さんは、元気の学校の講師の方々の一人です。