料理に使うのに健康な油はどれ?

料理に使うのに健康な油はどれ?

揚げ物や炒め物などに使うのは、熱に強い油 (スモークポイントが高い)が必須です。

さらに、できることなら健康高価の高い油を使いたいもの。

熱に強い油

炒め物やてんぷらなど、加熱したときに、変質しない、熱に強い油で、さらに、健康効果の高い油は?

一番のお勧めは、コールドプレスの アボカドオイル です。 520 F (271 C)まで加熱しても変質しません。

私は、Costco のコールドプレス、NON GMO verified、100% ピュアのアボカドオイル ($9.79)を使っています。アボカドは、通常 農薬の心配がない ので、より安心です。

オーガニックのコールドプレスの Rice bran oil も、スモークポイントが 495 F(257 C)と高いので、炒め物やてんぷらなどに適しています。

油の健康効果

高温でも、低温でも、健康効果の高い油を使いたいものです。

それには、Omega 3 と Omega 6 fatty acidsのバランスの良い油 (メガ3系脂肪酸:オメガ6系脂肪酸=1:4 の割合が望ましい)であることに加え、抗酸化物質やビタミンが豊富な油がお勧めです。

Omega-3 fatty acids は、細胞を健康にし、心臓発作や脳出血などの危険性を低下させ、炎症を抑える働きがあります。他にも、アレルギーの改善・中性脂肪を減らす・認知症予防・美肌効果・便秘解消などの効果があります。オメガ3系脂肪酸は、酸化しやすい (えごま油・亜麻仁油など)ので、なるべく容量の小さいものを選び短期間で使い切ることをおすすめします。酸化に弱いため、加熱調理ではなく生で摂るのもポイントです。

Omega-6 fatty acids は、細胞壁を作る栄養素でもありますが、摂りすぎると、炎症を促進するなどの負の要素を伴います。

Omega-9 fatty acids は、体では十分に作られないため、食事でとることは健康にプラスとなります。動脈硬化、心臓発作、癌などの抑制効果があります。

一般的に使われることの多い油(ごま油、べにばな油、グレープシードオイルなど)はオメガ6系脂肪酸の割合が多く、意識せずに過ごしていると自然とオメガ6系脂肪酸過多となってしまうので、あえてオメガ3を意識して取るようにしましょう。

オメガ3が多い油は、

  • えごま油(しそ油)
  • 亜麻仁油
  • くるみ油
  • ヘンプシードオイル

クッキングオイルを選ぶときには、なるべく、オーガニック精製していないもので、コールドプレスの物を選びましょう。

油に関して、こちらのサイトも参考に。

低温で使用する調理油

サラダドレッシングに使う油など、熱を使わない油には、Omega-3 fatty acids の高い油を選びたいです。

extra virgin olive oil がまずはお勧めのトップ。

Dr. Gundry は、Costcoの Kirkland Signature Extra Virgin Olive Oil, Tuscan – 1 L ($11.99) を勧めています。イタリアのTuscan 産で、コールドプレスされたものです。

Unrefined walnut oil も、低温で使用するのに、栄養価の高いよい油です。

Virgin coconut oil も中温までの調理ではお勧めです。

スモークポイントの高い油

参考までに、以下のチャートは、Baseline of Health Foundation からのものです。

Cooking Oils / Fats Smoke Point °C Smoke Point °F Omega-6: Omega-3 Ratio
(plus other relevant fat information)
Unrefined flaxseed oil 107°C 225°F 1:4
Unrefined safflower oil 107°C 225°F 133:1
Unrefined sunflower oil 107°C 225°F 40:1
Unrefined corn oil 160°C 320°F 83:1
Unrefined high-oleic sunflower oil 160°C 320°F 40:1, 84% monosaturated
Extra virgin olive oil 160°C 320°F 73% monounsaturated, high in Omega 9
Unrefined peanut oil 160°C 320°F 32:1
Semirefined safflower oil 160°C 320°F 133:1, (75% Omega 9)
Unrefined soy oil 160°C 320°F 8:1 (most are GMO)
Unrefined walnut oil 160°C 320°F 5:1
Hemp seed oil 165°C 330°F 3:1
Butter 177°C 350°F 9:1, Mostly saturated & monosaturated
Semirefined canola oil 177°C 350°F 2:1
[ (56% Omega 9), 80% Canola is GMO.]
Coconut oil 177°C 350°F 86% healthy saturated, lauric acid (has antibacterial, antioxidant, and antiviral properties).  Contains 66% medium chain triglycerides (MCTs).
Unrefined sesame oil 177°C 350°F 138:1
Semirefined soy oil 177°C 350°F 8:1
Vegetable shortening 182°C 360°F mostly unhealthy saturated, Trans Fat
Lard 182°C 370°F mostly unhealthy saturated
Macadamia nut oil 199°C 390°F 1:1, 80% monounsaturated, (83% Omega-9)
Canola oil (Expeller Pressed) 200°C 400°F 2:1, 62% monounsaturated, 32% polyunsaturated
Refined canola oil 204°C 400°F 3:1, 80% of Canola in US in GMO.
Semirefined walnut oil 204°C 400°F 5:1
High quality (low acidity) extra virgin olive oil 207°C 405°F 13:1, 74% monosaturated (71.3% Omega 9)
Sesame oil 210°C 410°F 42:1
Cottonseed oil 216°C 420°F 54:1
Grapeseed oil 216°C 420°F 676:1, (12% saturated, 17% monounsaturated)
Virgin olive oil 216°C 420°F 13:1, 74% monosaturated (71.3% Omega 9)
Almond oil 216°C 420°F Omega-6 only
Hazelnut oil 221°C 430°F 75% monosaturated (no Omega 3, 78% Omega 9)
Peanut oil 227°C 440°F 32:1
Sunflower oil 227°C 440°F 40:1
Refined corn oil 232°C 450°F 83:1
Palm oil 232°C 450°F 46:1, mostly saturated and monosaturated
Palm kernel oil 232°C 450°F 82% saturated (No Omega 3)
Refined high-oleic sunflower oil 232°C 450°F 39:1, 84% monosaturated
Refined peanut oil 232°C 450°F 32:1
Semirefined sesame oil 232°C 450°F 138:1
Refined soy oil 232°C 450°F 8:1 (most are GMO)
Semirefined sunflower oil 232°C 450°F 40:1
Olive pomace oil 238°C 460°F 74% monosaturated, high in Omega 9
Extra light olive oil

Ghee (Clarified Butter)

242°C

252°C

468°F

485°F

74% monosaturated, high in Omega 9

0:0, 62% saturated fat

Rice Bran Oil 254°C 490°F 21:1, Good source of vitamin E & antioxidants
Refined Safflower oil 266°C 510°F 133:1 (74% Omega 9)
Avocado oil 271°C 520°F 12:1, 70% monosaturated, (68% Omega-9 fatty acids)
High in vitamin E.

トランス脂肪酸(trans-fatty acid)について

農林水産省が、トランス脂肪酸について説明しているページがこちら

  • 脂肪酸には、2種類あります。
    • 飽和脂肪酸(炭素の二重結合がない)
    • 不飽和脂肪酸(炭素の二重結合がある)には2種類あります。
      • シス型 = シス(cisとは、“同じ側の、こちら側に”という意味で、水素原子(H)が同じ側についています。天然の不飽和脂肪酸のほとんどがこれです。
      • トランス型 = トランス(trans)とは、“横切って、かなたに”という意味で、水素原子がそれぞれ反対側についています。

トランス脂肪酸をとる量が多いと、血液中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が増えて、一方、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)が減ることが報告されています。

トランス脂肪酸は、化学溶剤などを使う加工過程で作られることが多く、マーガリンやショートニングなどがあります。植物油にも含まれていることがあるので、注意です。

多くの油化学溶剤であるヘキサンを利用して抽出されます。
油を抽出した後ヘキサンは蒸留により取り除かれると言われていますが、完全に除去されている保証はありませんヘキサン慢性毒性として神経を冒す可能性があるため、使用していないものの方が安心です。

また、抽出後の脱臭の過程では高温にさらされるため、酸化され、栄養素が破壊され、トランス脂肪酸が生成してしまいます。

低温圧搾(コールドプレス)」と書かれていないものはまず化学溶剤で抽出していると考えましょう。

低温圧搾法(コールドプレス法)

低温圧搾法(コールドプレス法)は、油の原料となる果実や種子(オリーブ、コーン、菜種、他)に、熱を加えずに、圧力をかけてオイルを搾り取る方法です。 そのまま圧力をかけて押しつぶして搾ったり、すり潰してから圧力をかけて搾ったりします。
短時間で一気に圧力をかけると、摩擦熱で高温になる場合があるので、ゆっくり時間をかけて圧力を加え、摩擦熱の発生を抑える工夫をし、最高でも60度を超えないように管理する必要があります。 抽出に時間がかかるため、生産効率が悪く、値段も高くなりがちです。

しかし、化学溶剤を使用していない、高温で栄養素が破壊されることがない、化学溶剤による抽出よりも処理工程が少なくより自然であるという大きなメリットがあります。
果実や種子の栄養素やビタミンなどを壊さず搾ることができるため、出来上がったオイルは、果実や種子の風味があり、栄養価も高くなります。