インド数千年・医学体系のアーユルヴェーダでは、摂取したもののうち、消化も排泄もされず、体内に溜まってしまった未消化物をアーマ(毒素)といいます。
仕入れが完璧だったとしても、体の消化・代謝・排泄能力に問題があれば、アーマは溜まっていきます。
アーマが酸化して毒になり、それが蓄積すると、病気になります。
アーマは、毎日の生活の中で、どうしても溜まっていきます。
「何となくだるい」、「元気が出ない」、「疲れやすい」、「昼食後眠くなる」というのは、アーマが溜まっているサインです。
アーマは、ネバネバしていて、冷たい性質を持っていて(貯まるほど体が冷たくなる)、血管の壁や細胞の隙間などに付着します。血管のプラーク、関節の尿酸、血糖、舌苔(朝起きた時、舌の上にある白いもの)、ニキビなどは、すべてアーマです。
それが血流を悪くしたり、細胞の代謝を悪くしたりして、悪循環 (負のスパイラル) を起こします。
胃腸は、絶対に冷やしては行けない臓器です。胃や腸の酵素は、温度が無いと働きません。なのに、現在社会では、冷たいものをとりすぎて、胃腸を冷やすことが増えています。
そこで、白湯を摂ることをお勧めします。
白湯は、
- 胃腸を温め、消化力を高め、酵素も機能しやすくします。
- 胃腸の中をきれいに掃除し、老廃物やアーマを洗い流してくれます。それにより、消化力を下げる悪循環の原因を取り除くことができます。
- 体の3つの力である、風(ヴァータ)、火(ピッタ)、水(カパ)の力(エネルギー)のバランスを整え、消化力(アグニ)を高めます。
人間の消化力・火の力を、アグニといいます。
アグニが強く安定している時が最もよい状態ですが、日常生活の中で、弱く不安定になったり、鈍くなったりします。
消化が完全でなく、不完全で残ってしまったものが腐ってきて、毒となります。
人間の体には、13種類のアグニがあり、
- 1番大きいアグニが、胃と十二指腸にあります。この一番大きいアグニにより、その他の12のアグニが燃えています。
- 5つのアグニは肝臓にあります。
- 残り7つは、体全体の7つの主な組織に分散しています
ですので、胃が一番大切だといえます。
その人の消化力が高いと、入ってきた物をすべて燃え尽くすことができますが、弱いと、消化しきれません。
日常生活の見直し
遅くて重くて多い夕食は、アーマを貯める原因となります。自然の体のサイクルから、夜は人の消化力が弱まっているからです。
人の消化力は、昼が一番強いので、重いもの(消化しにくいもの)は、昼に食べ、夜は、早い目の時間に、適量で消化の良いものを食べるようにしましょう。
昼間の食事をおろそかにすると、ストレスがたまり、夜にしわ寄せがいきます。昼食は、しっかり食べましょう。
食事に時間をかけすぎるのはNGです。胃は、1回分の食事を30分として認識します。胃の消化に一番良い、30分で食べれる量を、30分以内で食事するようにしましょう。
これは、例えば、洗濯機に例えることができます。洗濯をはじめて、既に脱水状態まで行っている時に新しい洗濯物を突っ込む人はいないのと同じです。
本来人間に備わっている本能(生理的欲求)である、自己参照性によって、体が欲するものを食べることが、体の健康を保つのに大切です。しかし、アーマが溜まっていると、この自己参照性が鈍ってきて、体が必要性としているものが分からなくなってしまいます。
白湯を取り入れ、正しい食生活、生活習慣から、健康を取り戻しましょう。
参照:
蓮村 誠 さんのお話
医学博士・アーユルヴェーダ専門医
http://www.hoyurishikai.com/data/doc.html